今回は、充填機メーカーナオミで実際にあった、粉体充填機を使用して、鉱石の粉末充填に関するお話をしたいと思います。数年前、あるお客様から「粉体充填機を使いたい」という問い合わせがありました。
早速現場へ行き、ヒアリングをしてみると、今回の充填物は食品ではなく、ある鉱石の粉末を小分け充填したいというお話でした。
実際に、その灰色っぽい鉱石の粉を触ってみると、手触りはサラサラでもなく、ジャリジャリでもなく、その中間くらいの粉末でした。
粉感がある粉末だったので、お客様には「スクリュー式充填機(粉体充填機)を使用するとき、スクリューで押し出す形で充填をすることになるので、ある程度すると、スクリューが痛んできます。また、何年かに1度は、駆動部分を全部交換するメンテナンスが必要です。」と提案しました。
お客様からは、『それでいいので、話を進めてほしい』と言っていただいたので、粉体充填機を納品する前に、実際に充填テストを行いました。
粉体充填の場合は、その原料の特性がまちまちで、例えば、カレー原料の粉末を充填していると、脂分がにじみ出てきて、粉が練り物のようになる事例もあります。
ただ今回は、鉱石ということで、非常に素直な原料だったので、精度・充填時間・スピードも、お客様の要求を十分に満たせたので、ナオミの粉体充填機を購入していただきました。
数ヵ月後、お客様から、『充填機が漏電しているようなんだけど、見に来てほしい。』という1本の電話がありました。
実際に現場に行ってみると、作業をされていた方が、「毎回ではないけれど、充填機に触れると、時々ビリっとくる。」と仰るのです。前回のブログでご説明をした、『アースを取る』ということもされていたので、漏電の心配は無いかと思ったのですが、念のために、現場に行かせていただいた充填機メーカーナオミの技術者が、電源から機械本体の隅々まで、テスターを使って、『漏電』が起こっていないかチェックをしました。
結果は、全く不具合がありませんでした。
でもお客様は、実際にびりっと感じるとのことだったので、今度は、実際に充填作業をしていただき、どんな時にビリっとくるのかを再現してもらいました。
30分ほど充填作業を行い、ナオミの営業マンが何気なく充填機に触れたその時・・・ビリッ!ではなく、パチッ!という刺激を受けました。
そう、このパチッ!の正体は・・・皆さんも経験がある、『静電気』だったのです。
通常の微量な静電気であれば、アースを通じて、逃がすことも可能なのですが、今回、詳細に調査をしたところ、充填物である鉱石の粉が、スクリューで押し出される際に粉同士で摩擦が起き、そこから大量の静電気を発生させていたのです。
摩擦で大量に発生した静電気が、十分に逃がされないまま、充填機本体に帯電し、作業されていた方が機械を触ると、パチッ!と刺激を与えていたのでした。
この対策として、電気工事士を呼び、機械本体から複数のアースを設置してもらい、なおかつ、充填吐出口から原料が押し出される際に、「イオナイザー」という静電気を除去する装置を設置しました。装置をつけたことで、静電気の問題は解決され、快適に充填機を使ってもらうことが可能になりました。
最初は、電気のトラブル=電気部品の不具合と考えてしまっていたため、原料そのものが静電気を生み出すことを考えていませんでした。
この一件からも、数々のよく似た案件の充填をさせていただいてますが、セラミック粉や金属粉、鉱石の粉などは、静電気が発生するので、セラミック粉や金属粉などを充填したいというお客様に関しては、ナオミでは、最初から静電気対策を提案しております。
ですので、セラミック粉や金属粉、鉱石の粉などの充填を検討されている方は、一度、充填機メーカーナオミまでお問い合わせください。お客様の充填物や現場の環境などに合わせて、一番最適な粉体充填機をご提案させていただきます。