ナオミの充填機は、40年ほど前に、先代社長の故 井上三男が、当時ヨーロッパから、チューブポンプの原型とも言える単純型(制御無し)チューブポンプを輸入したところから、スタートしました。
当時は、その単純型チューブポンプを改良して、土木関連現場で地面から湧き出る地下水を排出する、排水ポンプという製品を製作販売していました。その数年後に、知人より「その機構に制御機能を付けて、充填機が作れないか?」との相談を受け、充填機製作を開始したのです。
簡単な計量秤からの信号で、ポンプの回転を制御する、簡易な制御装置を合体させ、計量秤・ポンプ・制御装置から構成された1号機が平成5年に完成しました。
知人からの依頼で製作していたので、販売に関しては、あまり重きを置く考えは無かったそうです。
しかし、チューブの中しか充填物が通らない機構の充填機は、充填物の品種変えをする時に、チューブの交換だけで完了するので、多品種小ロットの製造には大変効率的で、当時としては、画期的な機械だったので、当初の予想をはるかに超える受注台数になりました。
特に、多くの色の充填をする色素のメーカーや、多くの香りの違う充填物を扱う、香料メーカーからの問い合わせが相次ぎました。
これらのメーカーの悩みは、『数多くの種類の充填物を充填する場合、そのたびに充填機本体をバラして、部品を洗浄し、色や香りを取り除かないと、次の充填作業がスタート出来ないというものでした。
しかし、ナオミのチューブポンプ式充填機であれば、チューブのみを交換することで、機械本体を分解・洗浄する必要がないため、非常に喜ばれました。
その後、制御装置はPLC(シーケンサー)へと進化し、複雑な動作も可能となり、計量部分も高精度のものが採用され、当時とは比較にならない高性能な充填機となっていますが、当時と同じように、色素メーカーや香料メーカーからは、チューブポンプ方式の充填機の受注が続いています。
株式会社ナオミは、こうしてチューブポンプ式充填機から始まった充填機メーカーです。
現在では、粘体充填が可能なロータリー式充填機や、スクリュー式充填機、振動フィーダー式充填機など、あらゆる充填物に対応できるようになりました。